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11月。だんだんと肌寒くなり、授業を聞くには膝掛けが必須なってきた頃。新しい新居に汗をかきながら荷物を入れてる青年がいた。
「はあ~、あともう少し……」
鷹見亮司はアッシュグレージュに染め上げた髪をかき上げ、疲れきった華奢な身体を無理矢理動かし、休めていた手に気合いを入れた。
二年制の専門学校に通っているのだが、今年で卒業することになる。
どうせ卒業したら独り暮らしをするのだから、と実家と学校から遠くも近くもなくちょうどいいこの街で早めに独り暮らしをすることになった。
物が少ないと思って余裕をかましていたが、音楽系の専門学校にかよっているせいか、資料や楽譜、CDやレコード等といった細かいものからギターやコンポと大きなものまで意外と量が多かった。
だから、引越し屋を雇おうと言ったのにとぶつくさ言いながらも作業を続ける。
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