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リビングの棚に目を向けてみるが、やはり何もおいていなかった。
もともと料理をする者はいなかったので調味料の類もない。
唯一、二人掛けのテーブルの上に、親指サイズの塩の瓶と、黒砂糖の袋が置いてあるだけだった。
キョウコは、流し台においてあるコップを掴み、中の濁った液体を捨て、洗うこともなくそのまま水道の水を注ぎ入れて飲み干した。
そしてコップを流し台においたあと、タンスの引き出しを確認する。
茶色い封筒には、紙幣は一枚も入っていなかった。
もう、何も買うことはできない。
いよいよ最後の日がすぐそばまでやって来たようだ。
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