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〇葉〇 なんだったんだ、あの人……。 結局今日も店に寄って、あのリングを眺めていた。 見れば見るほど欲しくなって、やっぱり無理してでも買おうかと悩んでいると、何かハデなお兄さんに話しかけられた。 オレの手の中には、店長だと名乗るお兄さんがタグを取ってくれたリングと彼の名刺とが、残っている。 『商品の対価分、アルバイトしねえか?』 確かに即金を用意するのが難しくて悩んでたわけで、お兄さんの申し出はなんかすげえ魅力的な誘いだ。 人手が足りないとも言ってたし。 もうこれ、悩む要素なくね? 飯の支度を終えて、テーブルにに置いたリングを指に嵌めてみる。 欲目だろうか、しっくりと自分に馴染む感じがする。 にんまり。 口の端が上がるのを感じながら携帯と名刺を手にとるった。 応えなんか、そんなん決まってる。 これだけの出会い、そうあるもんじゃない。 みすみす逃すなんて、もったいなすぎんだろ。
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