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〇葉〇
今から来られるか、なんてメール。
元々直ぐに学校から帰るつもりだったけど、わざわざそんなメールがきたことにどうやら急ぎらしいと、返信してすぐ早足で店まで向かう。
店に入っても、なんだかちょっと殺伐とした雰囲気で眉をしかめてしまった。
でも理由なんてオレは知らないし、悪いけど基本的に自分の関係ないことは割りきる質だ。
そんな様相は無視して、敢えて普通に声をかける。
「こんにちはー」
むしろ、愛想がいいくらいかww
奥から声をかけてきた店長さんの元に向かうと、彼自身からもちょっとした違和感。
ほんと、なんだっての。
でも、それだってオレの知ったこっちゃない。
この人だって、昨日会ったばっかのオレになんてほじくられたくもないだろう。
それに多分、この人には苦しみを分かち合い、癒す人がいる筈だ。
そんな人に、余計な詮索は無用。
オレのすることは、この店の仕事。
オレの中で一番明るい顔で応対する。
――知らんぷりも、時には必要だろう。
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