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とある国、とある居住区の片隅に、その女は住んでいた。
彼女は早くに両親を失い、アラガミに食い尽くされる世界を生き抜く為に、時にはどんなこともした。
食料を手に入れる為に、その体を捧げることもしばしばだ……。
だが、そんなことを繰り返すうちに、彼女は体の異変に気付く……。
そう、だれの子かも判らない命を孕んだんだった。
当然、毎日生き抜く事だけで手いっぱいの女は、すぐさま決断するに至った……。
『この子は産めない』
だけど、中絶するにも人の手が必要。
しかし、その頃は病院は怪我人、病人に溢れ、
彼女は天涯孤独の身。
周りには、体目当ての男しかいない……。
そして、最終手段を取るに至る……。
『産んで直ぐに棄ててしまおう』
彼女は間もなく、1人だけで、川の片隅で、子を産み……
流した……。
話が進むのは、それから五年後のことだ。
女は、紆余曲折を経て、漸く人間らしい生き方ができるようになった。
『今なら、私はあの子を棄てることなく暮らせた……』
そんな時、一通りのない道の傍ら。
小さな子どもがひとり、
しくしくと泣いている。
そんな子に、自分の子供の事を思いながら、女は声をかけた。
『ぼく、どうしてないてるの?』
『うえーん、うえーん!』
『どうしてこんなところに居るの?』
『…………ぐすん』
『おともだちは?』
『居ないよう……』
『お父さんはどこ?』
『居ないよう』
『お母さんは?』
フレイヴ「お前だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
レイ・サクラ「うわあぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
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