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ミサキ「わきゃあッ!!」
なにもない場所でなぜか転びかける女、「新田ミサキ」
その手を、普段からともに行動するテンチが掴んで、転倒は免れた。
テンチ「うおッ!!!っと……あぶねぇあぶねぇ、大丈夫か?」
ミサキ「あ、はい、ありがとうございます……」
テンチ・ミサキ「…………」
なにがあったか、2人はじっと見つめ合ったまんまで硬直。
そんな2人にちょっかいを出すのが、同じく同僚の静和ユリカの役目であり、今回も例外はない。
ユリカ「……てい!」
テンチ「うおっ!?なにすんだよ?」
不意に、新田ミサキの手を掴むテンチの手首に振り下ろされる手刀。
ユリカ「はぁ~、今のでも離さないなんて、相変わらずしっかりつながってるわねぇ。爆ぜればいいのに……」
ミサキ「ゆ、ユリカさんッ!!!!/////」
あそこはここでも有名な恋人同士、絶賛「爆発しろ」との声が絶えない。
そんなもんを、普段通り眺めていると、さっきまでロアの奴とじゃれ合いのようなスキンシップをしてやがったレイが、いきなり隣に座ってきた。
ガキはまーた遊ばれただけか、相変わらずひどい奴……。
本人には悪気がないしな、どんまいガキンチョ……。
レイ「カルルはいーーーーーっつも眺めてるだけだよね~、偶には遊べばいいのにー」
カルル「めんどくせぇよ……お前も、俺なんか気にすんなっつの……」
レイ「むーーーー!せっかく人がかまってあげてるのにぃーーーー!!!」
こいつは、いつもこうだ。
こっちが拒もうが、気にも留めずに構ってくる。
しかも、俺には特に……。
カルル「鬱陶しいっつってんだよ……」
あとで後悔することになるが、この時の俺は、周りに感化されていたのかもしれない。
好意やら恋やら、ウザったい程の空気に感化されて、自分でも瞬時に後悔するほどの一言を、思わず口にしてしまう……。
カルル「特に好きでもないくせに、俺に構うな……」
なにを言ってんだ俺は!!?
普段なら絶対言わないことを言ってしまったことに内心は混乱、錯乱。
レイ「……好きじゃないわけないよ?好きだから構うに決まってんじゃん」
カルル「……は?」
ユウ「なッ?」
ロア「え……ええぇぇええええ!!?」
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