隠れオタでもゲームがしたい!

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あれから半年…。 俺は、無事に地元から離れた高校に入学した。朝夕の満員電車での通学は大変だが、俺はオタクであるということをしっかり隠し通して快適な学園生活を送っていた。 「月灯!帰りに何か食いに行かねぇ?」 「ハンバーガーのクーポンあるからさ」 「ごめん。俺、今日は(ゲーセンでDIVAやる)用事があって…」 …しかし、俺は脱オタしたわけではない。深夜アニメは欠かさず録画して見てるし、ゲーセン通いもアニメイト通いも止めてはいない。机の上には描きかけの新作同人誌の原稿があるし、愛しのマミさん(フィギュア)が原稿に勤しむ俺をいつも優しく見守ってくれている。 オタクというステータスは、今でも俺の中では健在だ。 「そっか…」 「また今度、一緒に行こうな!」 「うん!」 俺は、友人達に別れを告げて駅とは少しズレた方角へと向かった。目指すは学校から少し離れた所にある繁華街。最新ゲームを置いてある行き付けのゲーセン。 「今日こそ初音ミクの激唱をクリアするぜ…」 俺は、密かな闘志を燃やしながら繁華街までの道を静かに歩き続けた。
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