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と、そんなやり取りを繰り広げながらも俺らは雑貨屋の前に来ていた。
個人経営の店つーことで、こじんまりとした雰囲気を持ち、飾り気が少なく看板が一つあるだけのシンプルな店だ。
と、そこから一人の女性が出てきた。見た目は俺と同じ黒髪黒目、その後ろ髪を腰にかかる位まで伸ばしており、清楚な感じの服装で落ち着いた雰囲気がある感じだ。
「あ、皆さんっ。こんにちは」
「よっ、レナ。すまんな店番任せて」
「わたしからもごめんね?クロムさんを連れてくるのが遅くなっちゃって」
「こんにちは、レナちゃん」
俺とウルが謝っている相手の名前は浅野玲奈(あさのれな)と言い。やっぱりウルたちやアミィさんと同じく酒場の従業員で、俺の店を手伝ってくれるもう一人でもある。
「気にしないで下さいウルちゃん。いつもの様にクロムさんが遅刻しただけですしね?それにどうせ、エッチなゲームでもやってたんでしょうし。変態ですから」
「そうよ?ウルちゃん。店主が救いようの無い変態よ?こんな人の店に来る訳ないでしょう?というより、こんな所に来る人も同じ位変態なのよ?そもそもあなたがこんな変態の傍に居て大丈夫なの?好きなの?」
「え、えーと・・・(照)」
「泣くぞチクショウ」
さっきまで周りの視線やウルへの罪悪感でダメージを受けていた俺の心は、レナとアミィさんの連携によって最早修復不可能な位までズタズタにされた。
やはりここは俺の精神によろしくない場所の様だ。俺の店だが。あと、顔を真っ赤にしてるウルが可愛い。
「あっ、そうでしたクロムさん」
「ん?」
レナの言葉に振り返る俺は、続く話の内容にここに来てしまった不運に嘆きたくなった。
「今日はマスターから直々に依頼があるそうですよ。何でも、【アースドラゴン】に関する依頼だとか」
「・・・・・・よしレナ、ウル。陳列してある物に不良品や欠陥品は無いか?俺はこれ置いたら帰ウワ,ナニスル.ヤメッ」
「アッーーーーーー!!!」
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