プロローグ前

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つー訳で初めまして、俺がクロム・シオンだ。 ギルドで雑貨店を開いている研究者だよ。 ん?ギルドってのは何なのか、と? えーと確か・・・民からの要望や悩みを『依頼』として受け取り、それらをギルドに登録している人たちが受注した依頼の内容をこなしていき、成功すれば報酬が得られる仕事の斡旋所、かなぁ・・・。 んで、ギルドは国ごとに存在していてそれぞれ特色も変わってくるという訳で。 ここのギルドでは町の中心となっているからか建物内は『酒場』と『斡旋所』で一区画、『商業スペース』で一区画、最後の『宿泊所』で一区画の三区画構成になっていて、外には露店で賑わっている場所なんだ。 とりあえず。俺はギルドの一つである『クラウド』で雑貨店を開いている研究者ってのが理解できてれば良いぞ? で、俺の見た目だが・・・あんまり必要ない気がするんだよな。基本的に黒ローブで顔まで隠してるし。 一応、言っておくと黒髪黒目の フ ツ メ ン だ。もう一度言おう、自称も他称もフツメンだ。 ・・・くっそ!イケメンが憎い!!!泣くぞ俺!? ・・・すまん、取り乱してしまった。周囲にイケメンが多いから嫌でもストレスが溜まるんだよ。 しかも恰好が怪しいせいで、毎回町に出ると不審者扱いされるんだよな。・・・思い出すだけで胃が痛い・・・。 ・・・とりあえず、ギルドに顔でも出しに行きますかな。 という訳で俺は、本日分の商品をカバンに詰め込み始める。 「えーと・・・今日は睡眠薬、毒薬、麻痺薬、傷薬、ついでに育毛剤・・・なんか薬ばっかだなぁ。楽でいいけど」 前にカバンに入りきらない家具とか頼まれた時は死ぬかと思ったな。 え?今入れた中で売れるやつ?・・・育毛剤だ。 ちなみに、俺の家はギルドがある町から歩いて二時間程かかる森の中に建てている。 ・・・いや、数年前くらいまではちゃんと町の中にあったんだぞ? でも俺の高笑いや実験t・・・いや、ネズミの悲鳴とか爆発音とかで、周囲の住民からの苦情が凄まじくて渋々ここに住む事になりました。 ジンタイジッケン?ナニソレ?美味しいの? そうして現在の場所に住む事になった状況に泣きたくなる俺はギルドに向かう事にした。
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