プロローグ前

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「・・・・・・」 あ。依頼名を聞いた瞬間にセブンがフリーズしたっぽい。 「・・・はぁっ!?おいっ、貴様正気か!?この馬鹿の依頼なんぞ無視しておけよ!?」 で、我に返った瞬間にキリアの肩を掴んで叫びだした。しかも、馬鹿とか酷くね? まぁ、こいつがここまで取り乱すのも仕方がない。 なぜって?それは、正式名称『ブヒリダース』通称『ブヒ草』 このギルド『クラウド』の町から南に三日程でたどり着く『オタックーンの森』に生えている群生植物なんだが。 その特徴はよくあるもので、こいつらは独特の甘い匂いを吐き出し、それに釣られた虫達が寄ってきて受粉を行う植物だが。 この匂いが厄介で、人がそれを嗅いでしまうだけで自分が考えている『萌』について語り出してしまうという悪質極まりないもの。 しかも、異性に暴行を受けた場合、痛みを感じる事は無くただ『ブヒィィィィィィッッ!!!』と叫ぶそうだ。 ・・・うん、これを取りに行かせるのはビックリだろうな。 でも、セブンにそんな事を言われても、キリアは爽やかな笑みで。 「いつも世話になってる友の頼みに、断る理由があるのかい?」 何このイケメン。イケメン杉てコワい。 「・・・ん?キリア。貴様クロムに何の世話があるんだ?」 とここで、セブンが腕を組みつつ、胡乱げな視線で訊いてきた質問に。 聞かれた方であるキリアは少し照れくさそうにとある本を取り出した。 題名はこうだ。 『少女たちの素顔~何気ない一場面~』 それは、普通の少女の写真集に見える。・・・視線が全く合って無い点と自作したような綴目を除けば。 「はい、アウトー。・・・じゃない!これはなんだ!?」 「「え、普通の写真しゅ・・・」」 「マテお前ら、やっぱり話は詰所で聞こうか」 そう言って、近づくセブンから距離を取る俺たち。 「おぉそうだお前自警団やってたな」(←棒読み 「あからさまな白を切るな」 どうやら先に体力の無い俺を捕まえる事から考えたようで。 気づいた時には剣を喉元に突き付けられました。 ・・・ナニコレ、笑えない。
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