プロローグ前

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だが。 「・・・キリア、やはりそう来るか」 「当たり前でしょ?友が殺されるのも、殺すのも俺にはゴメンさ」 セブンに対してキリアが首元に剣を突き付けていた。 て・・・あれ?俺、死ぬ事前提ですか?ムショに放り込まれるんじゃ? 「あぁ、貴様は罪を重ね過ぎた」 思ったことを聞いてみた俺は、セブンの返答に冷や汗が止まらなかった。 ・・・ナイス、キリア!状況はあんまし変わらんがな! ただ、俺が死ぬより早くキリアの剣が貫くのは確定だな。 キリアの剣の速さはそれだけなら最強だからな。 まぁ、力ではセブンの方が上なんだけどな・・・。 で、しばらく硬直していた俺らだけど。 セブンが溜め息をつきながら仕方がないとでもいう風に、俺に突き付けていた剣を引っ込めて、背中の鞘に収めた。 ・・・今考えるとセブンも剣の速さはかなりの物だよなぁ。 これ以上とかキリア速過ぎ。 てか、剣を仕舞うキリアの動作が一々カッコ良過ぎ。死ねば良いのに。 と、命の恩人に対して有り得ない位に失礼な事を考えていると。 「よぉー。お主ら、何やら面白そうな匂いがしたが・・・もう終いか?」 俺たちに話しかけてきた男がいた。まぁ知り合いなんですけどね? まぁ見た目は黒髪黒目の長髪で、東の小国で四国の一つである『日乃国(ヒノクニ)』でよく着られているという和服の中の狩衣(かりぎぬ)という服を着て、飄々とした雰囲気を醸し出しているイケメンだ。 そんな彼の名前は白江靖明(しらえやすあき)といって。 これまた東の方独自の陰陽と五行と呼ばれる法則に基づいた術を使う陰陽師という職業をしている。 「面白いって・・・大変だったんだよ?もう少しでクロム制作の写真しゅ」 「全力で阻止しようか」 「その話は終わっているからな?だから、お前ら三人で掛かってくるなよ?」 「それは押すなよ?の精神だな?」 「断じて違う」 キリアの発言で瞬時に戦闘モードなった靖明は、マジな顔でセブンに術符を投げ付けようとしていた。 セブンはその行動に、表面上は落ち着いて靖明を宥めようと言葉を掛ける。 そんなセブンにニヤニヤとした顔で靖明を煽る奴がいた。 「おー、やっちまえー(←棒読み」 「貴様も煽ってないで助けろよ」 というか、俺だった。
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