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元々、私を待っていたのか
1枚の紙を渡すと奥に入っていく。
燃えるような赤髪の男性を見送り、手元の紙に視線をうつす。
紙には『サイナスの森ドラゴン調査』と書かれていて、その横には依頼ランクA。内容はドラゴンが住み着いているかどうかの有無。
依頼人はギルドの名前"不死鳥フェニックス"
報酬は、金貨3枚。
正直いって破格の報酬だったりする。
一般人の月収と何ら代わりはないのだから
ただ森にいってドラゴンの有無。または生息しているか確認してくればいいのだけで、金貨3枚は目が眩む好条件だ。
今日は厄日だと思っていたがそうではないらしい。
少し気が晴れ、思わぬ収入に心踊らせながらギルドからでる。
その先で思いもよらぬ物を見るとはしらずに。
軽い足取りで、サイナスの森を目指して3日。
依頼であるドラゴンの有無は、すでに確認されていた。いやむしろ今確認したと言っていい。
森はもはや目とはなの先。
しかし森に入るには…いや入る必要はすでにない。
だって少し先に黒髪の男性と依頼対象の"ドラゴン"がいるのだから…
戦闘はすでに始まっていて慌てて加勢しようとするが踏みとどまる。
ドラゴンの猛攻を易々と避け続けている男性の顔は笑顔浮かんでいたのだから…
その光景は、自分の近所に住み着いているシロ猫と遊んでいる子供の姿と重なった。
「………すごい」
加勢など忘れ、黒髪とドラゴンの戦闘を見いってしまった少女がそこにいた。
ーーーークリク side outーーーー
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