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「って言うわけで、僕のミスで君死んじゃった。ごめんなさい、で済まないだろうから転生させてあげるね!」
目の前にいるコイツの話では、俺が死んだ理由は『俺の事が書かれた書類を燃やしたから』らしい。
なんで説明が抜けてるか?だって?
大半の説明が、目の前のイケメンの愚痴だったからだよ。
なんでも部下が仕事仕事って煩くて
『うがぁー』となって、つい机にあった書類を燃やしてしまった。
って事らしい。
まぁ何にしろ転生フラグ通りなら、元の世界…地球には戻れないのか?
「地球に戻れないって訳でもないよ」
「なら!」
「言い方を間違えたね。君は死んだんじゃなくて"存在"をなかった事になってるんだよ」
存在をなかった事に?
「そう。なかった事…つまり、地球に帰っても君を知ってる人はいないんだよ。たとえ君が知っていたとしてもね…それでも地球がいいと言うなら生まれ変わりは出来るよ。記憶はなくなるけど」
地球に戻れるけど、知ってる人がいない?
戸籍と言うものがある以上、このまま戻るのはリスクが高すぎる。
かと言って生まれ変わりは嫌だな。
生活環境によっては、俺が同じ道を歩めるとは思わない。記憶もないらしいし。
それは、もはや"俺"ではなくなるって事だ。
死んだのとなんら変わりはない。
選択肢などあってないような物じゃないか!
残された選択は一つしかない。
「決まったかい?」
タイミングよく聞いてきたって事は、また心を読んでたのだろう。
転生、読心術、羽、金髪イケメン。
この目の前にいるのは"神"で間違いないんだろうな。
「あぁ」
「んじゃ次に移ろう」
「次?」
「そうだよ。次の話………"能力"についてさ」
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