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走る走る走る。
ただひたすら走る。
貰った能力が、この世界でどれだけ通じるのかわからない以上。あのドラゴンをどうにか出来るのか判断出来ない。
だから逃げる。
取り敢えずわかっていることは、身体能力は格段に上がっていること。
地面を蹴りだした瞬間に舞い上がる砂ぼこりが半端じゃない。
ドラゴンもドラゴンで、たぶんトップスピードで空を駆け抜けている。
空を飛んでいる以上、俺を見失う事はまずないだろう…
さぁ、どうするか?
迎え撃つ場合、方法をどうするか
幸い魔法の知識はあるし、使い方も大体わかる。
たが、慣れてない。
瞬時にこの魔法あの魔法…とは使えないだろう。
経験が全くない。
肉弾戦なら、能力で知識と経験がある
自信があるわけではないが、確実に殺り合える力はある。
これは多分、貰った能力。
武術の知識と経験から言えることで…。
ドラゴンとでも渡り合えるが、止めを刺すほどの威力はない。
そうなると早期決着が望ましい。
さて、決戦の場に丁度いいところまで来てしまったし、腹を括るか。
草原の真ん中辺りで止まり、振り替える。
そこには丁度ドラゴンが着陸しようと体制を起こした所だった。
羽ばたくたびに襲いかかる強風をもろともせず、その時を待つ。
「さぁて…頂上決戦と洒落込もうじゃないかっ!!」
セリフにたいした意味はないが、なんか言わなければ逃げ出してしまいそうだった。
これが最後の戦闘でもなければ、頂上決戦でもない。
ただ言わなきゃやってられない。言葉を発する事で自分を鼓舞して何が悪い。
ドラゴンに意味が通じたのかはわからないが、律儀に返答を返すしてくれた…
大気を揺るがす程の雄叫びで………… 。
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