5/14
前へ
/14ページ
次へ
寒い。 余りに寒すぎる身体と心 それでも自力で帰らなきゃ、いけない。あんな男のために涙なんかもったいないのに勝手に流れ出る 寒さで強ばる足を無理矢理前進させ、闊歩しながら大股で歩いた。 しばらく歩くとブーツに異変が。長年履いていたお気に入りのブーツ 愛着もあるブーツもヒールが取れた。 近くのガードレールに座り一気にロングブーツを脱ぎ捨てた 寒空の中、パンストだけの素足はアスファルトの冷たさが身にしみた 三年も都合のいい女を演じた自分のバカさをクリスマスツリーも笑ってるみたいだ。 .
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加