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赤い洋服のサンタさんにひっぱられながら、相当走って走って。 少し小さな公園に着いた。 ぜーぜー息が上がって喋れない。 サンタさんも苦しそうに肩で息をしていた。 「あ、あの。 ありがとうございました」 私が顔を向けると、サンタさんはまっすぐに立った 背が高いんだ。 髭を付けて帽子をかぶっているからどんな顔か分からないけど、眼が昔飼っていたチワワの"チビ"に似ていた。 「いいえ。大丈夫でしたか?」 「あ、はい。 えっとさっきの白いものは?」 「売れ残りそうなクリスマスケーキです」 「ケーキでしたか?って売り物なのにすいません。弁償しますっ!」 「いいですよ。大丈夫。もうね。この時間はそろそろ値引きしなきゃいけないかな?って思っていたから」 .
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