十二の恋文

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 ねぇもしも本当の愛は一体となるものなら もしも二つで一つに、一つの形となるならば  うしろめたさなんて概念は存在しないはず 全てがリンクされ互いに分かり合ってるから  とらぬ狸の皮算用ってわけじゃないけどさ 君と手を取り合って、そしてクリアな音で  うたを共に奏でられたら素敵じゃないか? 誰の耳にも心にも響き届き渡る唄をさ  たつ鳥は後を濁さずというけどさ それって少し淋しくはないかい?  みんなからまるで無かったことのように 跡が残らないって、なんかイヤだな  うまく届くかは、保証はないんだけど 僕にとって君に宛てた切手のない手紙は  ひつじゅな愛であることに変わりない 断定する程、不確かさ浮き彫りになってるけど  サルトルの謳った様に道は後ろにしかない 何にだってなれるとピーコも言ってたしさ  トリレンマの中で闘争する彼女のように 嶺をも超えた、頂の上の一輪の花のように  いぬかれた心臓、いやマインドも含めて そのつらさだって、快楽に変えられてゆく でも  いやおうなく時は暖かく吹き抜けてゆく それは光や意志や勇気をも過ぎさらって
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