兄の婚約者

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舞の後を追って広間に入ると既に兄さんがメインステージに上がって会場にいる客達に挨拶をしている真っ最中だった。 兄さんと壇上に上がることになっていたが出遅れたので、仕方無くテーブル席でワインを飲みながら客と一緒に兄さんの姿を見届けていた。 「皆さんにお越しいただいたのは僕の誕生会だけでなく、もう1つ大切な発表があるために皆様を招待しました。僕、この度結婚することになりました。」 「ブーッ!!?」 俺は兄さんの思わぬ発表に口に含んでいたワインを吹き出した。 「ちょっと凰紅寺の坊っちゃん大丈夫ですか?」 「お構い無く。」 (兄さん…3ヶ月後に海外出張なのに結婚かよ…急だな。) 俺はこぼしたワインを拭きながら兄の身を案じた。
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