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「涼介ーっ」
後ろから抱きついてくる光君。
「わっ!ちょっ…危ないってば!」
「だってヒマなんだも~ん」
口を尖らせる光君。
「じゃあ何で手伝わないんだよ…。ってか危ないからやめて。」
「だって俺下手なんだもん。」
光君は渋々離す。
一緒に作るって言ったくせに…。
「もう…TVでもみてなよ。」
「へいへい。仕方ない、理想の息子でも見ようかな?」
意地悪く笑う光君。
アレを使ってみよっかな…。
「ふ~ん。勝手にすれば?」
出来上がった料理の片方にだけ薬をかけ、光君に渡す。
「おいしそ~!」
「でしょ?」
「いただきま~す!」
光君は料理を口に運ぼうとしていた手をピタリと止め、
「どうかした?」
と尋ねてきた。
「えっ?いや…おいしく出来たか心配で…」
と言うと光君は、
「じゃあ…はい!口開けて?」
とか言いながら`あーん´してくる。
「え?いや、自分のあるし…」
薬入ってるし。
「いいから、ほらっ!早く!!」
だから薬…
「あーんっ!!」
少しなら…大丈夫…かな?
ぱくり。
光君が、ニヤリと笑う。
「食べたね?」
「…え?」
事態がいまいち飲み込めない。
「何入れたの?これ。」
あれ?バレてる?
「涼介こーゆーの下手すぎ。」
あ、まぢ?
「なにを、入れたの?」
「…びやく。」
ポツリと呟く。
「どんくらい?」
「どんくらいって…」
あー、やべ。もう効いてきた。
「もう効いてきてるの?」
光君は心が読めるの?
「全部顔に出てるよ、涼介…可愛い」
そうなんだ…。気づかなかった。
頭の表層でそんなことを考えていると光君が、
「薬なんてどこで手に入れたの?」
と聞かれた。
「…太輔…くん…。」
「は?何で?」
やべ…限界。
「それどころじゃないか。」
頷く。
「よし、ベットでシよっ♪」
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