最初は神童だった

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『小学低学年時代』 今にも壊れそうな木造の小学校。ここで低学年の時、絵を描いて周りの生徒に褒められた。 「すげーな。お前、頭は悪いし性格は悪いが絵はすげー上手いな」 頭と性格の事は言わなくていい。普段は噛み付くが絵を褒められて気分がいいので何も言わずニコニコしていた。 先生まで俺の絵を褒めた。 「いやぁ、一番上手いな。コンクールにはこの作品を出すか」 それから何ヶ月たったろう‥‥ 学校の先生から賞状を貰った。何で県のコンクールで入選を取ったそうだ。 家に持って帰り母親に見せた。 母親は喜び、賞状はタンスにしまった。その引き出しには俺の「へその緒」も一緒に入っている。 俺が30歳を軽く越えた今でもそのタンスには賞状とへその緒が入っている。 それから夏休みに入った 公園で皆がメンコで遊んでいた。 貧乏だった俺はただ皆が楽しそうにメンコを打っているのを見ているだけっだた。 「おい、お前も遊ばないか」 「‥‥いや、いい。 俺はメンコを持ってないから‥‥」 「だったら一枚やるから一緒にやろう。 台から相手のメンコを弾き飛ばしたらお前の物だ」 中サイズのメンコを貰ってウキウキした。 でも、これを取られたら終わりか「大丈夫最初は狙わないでやるよ」 3人と俺の4人でメンコ打ちが始まった。 他の3人のうちで一番上手い奴の打ち方、メンコの動きをジッと観察した。 「ほら、お前の番だ」 俺は貰った中サイズのメンコを持ち力一杯相手の中サイズのメンコに叩きつけた! 「ああ!」 相手のメンコだ台から飛んだ。 「なあ、本当に貰っていいのか?」 「ああ‥‥。ルールだからな」 俺は初めて自分の実力で物を手に入れて心臓のドキドキが止まらなっかた。 台の上にあるメンコが次々無くなって行く。 周りの3人が青ざめながら台の上にメンコを継ぎ足して行く。 「もう、オレ辞めた」 「オレも‥このままだとお前に全部持って行かれる」 俺はゼロから二十枚も手に入れた。 俺に誘った奴は「いや、まだやる」そう言うと俺の持っているメンコの5倍サイズの特賞のメンコを出してきた。 まあ、アレじゃ勝てないな。でもこれだけあれば十分か。 「絶対辞めるなよ。全部取り返してやる!」
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