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[159] 渡瀬 ヒロル
9月27日 16:40
>>158
男は優しく問いに答える
男[そうだよ。私はずっと、逃げ続けていたんだ。]
少年「そっかぁ、僕は逃げる途中でお母さんとはぐれたんだ。ここからなら、お母さんが見つけられ無いかと思って。」
少年はきっと、散々母親を捜したのだろう。
少し声が枯れ、頬には涙の痕が黒く残っていた。
男[捜してごらん。]
男は少年を手招きして自分の傍から街を共に眺めた。
少年「みんな小さくて、よくわからない。」
男にはよく見えた。
逃げ惑う人々
無垢な笑顔で総てを破壊し、殺戮を繰り返す少女達。
男は少年に話しかける。
男[この世界が好きかい?]
少年「わからない。ぼくはただ、お母さんと普通に暮らしたい。悲しい事も、嬉しい事も、お母さんと一緒に。」
男[その為になら、君は戦えるかい?]
少年「..うん。」
少年は頷いた。
男[それならば、私は君の武器になろう。あらゆる者から君を護り、害為す者を凪ぎ払おう。]
男[君が、私との約束を守るなら..]
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