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え………中止だって、メールきたじゃない!!!?
ナミとケントが驚くのをよそに、私は『駆け込み乗車はおやめください』というアナウンスを聞きながら“駆け下り下車”をした。
そこからは、いつも受けている訓練と同じだった。
目標(タカシ)に悟られないように近づく。そして、目立たないように会話と目標の動きを確認する。そして記憶する……のだが、わざわざ覚えようとしなくても十分に暗記できるほど衝撃的なことを話していた。
「お兄ちゃん、あたしに何のようなの?」
タカシをお兄ちゃん呼ばわりする可愛い声は恐らく鈴村さんだろう。
「いいか。未佳。俺のいうことをよく聞け。俺らのいる地下教室に来い。手荒なことはしたくないんだ。頼むよ。」
タカシの悲痛な声からは、心から悔やんでいることが明らかだった。
「でも……おじいちゃんが、あたしにお仕置きする。お兄ちゃんも知ってるでしょ?おじいちゃんはひどいこともするけど、あたしたちのことを思ってくれてる。多分、お兄ちゃんが戻って来てくれたらすごく喜ぶとおもうな」
って、じゃあ、鈴村さんとタカシは前からの知り合い?
じゃあ、………え………まてよ。タカシは、親が離婚して霞川という苗字になったんだ。そして、その前の苗字はたしか………
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