彼のいた場所

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黒くて少し長めの髪はけれど不潔ではなく綺麗に切りそろえられ、若干肩にかかるくらい。 紙のような白い肌は背後にある石膏像のようにシミ一つなく作られたような美しさ。 背は僕よりずっと高くて、多分、180近くある…… 最初に見た時は幽霊だとそればかり考えてしまったけれどよくよく見れば彼はとても整った顔立ちをしていた。 きっと、普通の、生きている人間だったのなら今の生徒会の彼らより人気を得ただろう。 しかし、彼はもうこの世にはいるべき人じゃない。 見た目は確かに綺麗だし、一度だけど僕を助けてもくれた…いい人だ。 でも、深い闇を思わせるようなその瞳、透ける景色が彼を異様な存在だと示している。
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