彼のいた場所

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声を出すなという意を何とかそれで汲み、口を閉じた。 それを見た彼はまた無言で次の指示をだす。 唇から外れた手が指を差したその先に目線をやれば。 大きなオブジェのような作品に隠された、少し古びた扉があった。 焦っていたから見落としていたそれを目にして慌ててそこに走り、オブジェを退けて扉を開けて彼の方を見ると そこにはもう、誰もいなかった。
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