彼のいた場所

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「……。」 『……。』 ずっと見つめ続けて、そんな事を考えたりこの前のお礼を言わなきゃとか考えが浮かぶけど なかなか声をかけられない。 そうこうしているうちに彼も僕が見ている事に気付いてこちらに視線を向けてくる……。 だけど声はかけてきてはくれないようだ。 「…あの、この前は、どうもありがとうございました。おかげでなんとか制裁にあうこともなく、元気に、学校生活を送れています……」 彼からの言葉を待つなんて、恩人に迷惑をかけるみたいで僕は少し迷ったあと、勇気を出して口を動かして彼に話しかけてみた。 ……………。 彼は僕の言葉を受けても微塵も動かない。 いや、かなり時間をかけて、僕が諦めかけた時になって一つ瞬きをして それからにっこりと。 ひだまりのような、花が綻ぶような、そんな顔をして笑みを見せた。
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