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そして彼の機嫌を十分にとってから彼らの標的は僕へと変わる。
「おい、なんとか言ったらどうなんだ?」
「全く……これだから平凡は」
「ほんとだよねぇ、どうせ誰かとヤッてたんじゃないのぉ~?」
「「うわぁ、最低だ~」」
何も、誰も、僕の気持ちなんか知らないし知ろうともしないのに勝手な事ばかり連ねて、転入生くんが見えない位置から蹴りや手を加えてくる。
反論したくても人数の差や、家の事を引き出されてしまうのが恐くて、すみませんと謝るしかできない。
本当に情けなくて…涙が出そうになりながら僕は漸く解放されて自室へと向かう。
こんな姿、きっと彼にも哀れに思われているのだろうな。
ああ、だから、僕なんかを助けてくれたのかも……
暗い気持ちに拍車をかけるようにどんどんとマイナス思考に陥っていく自分が、また情けない。
変わりたいと……思ってはいるんだけど…
結局思うばかり。
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