彼のいた場所

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どこでもいい、逃げられる場所があるなら。 彼らから身を隠せる場所なら、どこでもよかった。 「はぁはぁっ!は、っ…」 一人で廊下を駆けていた。転入生に気付かれる前にトイレに逃げ込んで、そこで売店で買ったパンなどを食べてやり過ごそうと思っていた。 季節外れの転入生と同室というだけで何故か親友だとされてしまったのが一ヶ月前。 それから転入生の代わりに一身に制裁を受け、いじめを受け、罵られてきた。 全ては転入生に落ちた生徒会のせい。 学園の人気者だった彼らに近付いたが為に起こったこと。 本当なら転入生をどうにかしたい。だけど彼はいつだって生徒会の彼らに守られている。 だから、平凡で後ろ盾のない僕を代わりにする。 そんな理不尽な理由で僕は友達も、平和な学園生活もなにもかも失った。
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