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だけど僕は未だ壊れたくない。
未だ諦めたくない。
だから逃げ続けているんだ。
「はぁっ、は、けほっ……はぁはぁはぁ!」
一学年の廊下を過ぎ、靴箱から上履きのままで僕は外へと飛び出し校舎近くに隣接する建物の中へと飛び込み、扉を閉めた。
ここは美術科の生徒のための附属棟で、中にはたくさんの作品と石膏像、それによくはわからない機材がたくさんあった。
それらを汚したり壊さないよう、注意しながら奥へと進み僕は足を止めた。
―――行き止まり。
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