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そんな……
行きあたった壁に手を付けながら愕然とする。
この建物には足を踏み入れた事はなかった。けど、外から見てとても広い建物だと思えたのに。
きっと、ここなら隠れられると…思ったのに。
「…お、ぃ……!どこに、……平凡…」
「!」
そんな状況に陥っているとそう遠くない場所で〝彼ら〟の声が聞こえて僕は息を詰め、振り返った。
扉は辛うじて閉めてきたけど、ここが見つけられその扉が外から開けられるのは時間の問題。
見つかったら、また殴られる。
いや、逃げた分、もっともっとひどい事をされるかもしれない。
そんなの。
「嫌だ……っ、誰か、誰か助けてよ…」
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