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「はっ!はっ!はっ!はっ!」
一羽のノウサギが必死に駆けていった。
「まてええええ!俺の獲物おお!俺は腹へっって何日も喰ってねえんだからよお!俺に喰わせろおおお!!」
ノウサギを追って、一匹のキツネがよだれを垂らして執拗に追いかけ回していた。
「うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!殺される!たったすけてぇ!うわっ!だれも!だめだっ!ひいっ!ひいっ!ひいっ!ひいっ!」
ノウサギのイチゴは、野を越えて丘を越えて草むらも越えて、息を絶え絶えに、
ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん!!
と、めいいっぱいに体をしならせ、めいいっぱいに地を蹴って必死に、キツネの追撃から逃げまくった。
「待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!こら待てぇーっ!はあ・・・はあ・・・くそっ!目が空腹でくらくらする・・・!
ええいっ!しっかりしろ!
食い物が目の前にあるんだ!
ウサギ!俺に喰わせろってんだ!
待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!こら待てぇーっ!」
キツネのネケは舌をと垂らし、ハアハアと荒い息を弾ませ、野を越えて丘を越えて、草むらも越えて、四脚で地を激しく踏みしめて、狡猾にノウサギを必死に追った。
ブロロロロロ・・・!
ゴオオオオオ・・・!
ブロロロロロ・・・!
ゴオオオオオ・・・!
ブロロロロロ・・・!
ゴオオオオオ・・・!
追いつ追われつの2匹の前には 、6車線もある高速道路が迫っていた。
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