1#逃げるウサギ、追うキツネ

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 「はっ!はっ!はっ!はっ!」  一羽のノウサギが必死に駆けていった。  「まてええええ!俺の獲物おお!俺は腹へっって何日も喰ってねえんだからよお!俺に喰わせろおおお!!」  ノウサギを追って、一匹のキツネがよだれを垂らして執拗に追いかけ回していた。  「うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!うわっ!殺される!たったすけてぇ!うわっ!だれも!だめだっ!ひいっ!ひいっ!ひいっ!ひいっ!」  ノウサギのイチゴは、野を越えて丘を越えて草むらも越えて、息を絶え絶えに、  ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん!!  と、めいいっぱいに体をしならせ、めいいっぱいに地を蹴って必死に、キツネの追撃から逃げまくった。  「待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!こら待てぇーっ!はあ・・・はあ・・・くそっ!目が空腹でくらくらする・・・!  ええいっ!しっかりしろ!  食い物が目の前にあるんだ!  ウサギ!俺に喰わせろってんだ!  待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!待てぇーっ!こら待てぇーっ!」  キツネのネケは舌をと垂らし、ハアハアと荒い息を弾ませ、野を越えて丘を越えて、草むらも越えて、四脚で地を激しく踏みしめて、狡猾にノウサギを必死に追った。  ブロロロロロ・・・!  ゴオオオオオ・・・!  ブロロロロロ・・・!  ゴオオオオオ・・・!  ブロロロロロ・・・!  ゴオオオオオ・・・!  追いつ追われつの2匹の前には 、6車線もある高速道路が迫っていた。
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