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序章
あの日、確かにオレ達はあの場所にいた…
春爛漫の京都…
何処もかしこも桜が、満開で…
綺麗だった。
ふらりと立ち寄った『あいつ』が好きな『新選組』所縁の壬生寺…
そこで、舞い狂う桜の花びらに目を奪われ…
そして、非現実的にもオレ達は、タイムスリップをした…
着いた先は、同じ春爛漫でも幕末の京。
何もかもが違う時代に
憤り…
戸惑ったのを覚えている。
それでも、あの時代で…
『誠』の旗を掲げた彼らと…
『時代』という戦場をがむしゃらに駆け抜けた…
ただ、オレは…
ダチである『あいつ』に巻き込まれ、入隊するはめになったはずだったんだ…
だけどいつの間にか…
あの場所が…
『新選組』という家が…
人斬り集団と敵にも本来味方であるはずの民からも怖れられ…
後の世に…
『オレ達の時代』に…
名前を残したあの人達がいる場所が…
腰を落ち着けられる所になってた…
これはあの日々を綴ったオレの…
あの時代で言う『随想記』である――…
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