序章

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西暦2012年、4月初頭。 中学からの腐れ縁の女友達2人とその2人の兄弟とオレの5人は、京都に旅行で、来ていた。 きっかけは、大学に合格したことを京都の伯母に報告した時に伯母が言った一言だった。 「透(トオル)ちゃん、京都に一度遊びにお越しやす。折角やから4月ぐらいに来て、桜見物してくとええよ。おすすめや」 その時は確か…曖昧に返事をした気がする。 京都といえば、中学の修学旅行で行ったっきり。しかもあまり良い思い出はない… それに関しては、また別の機会にでも記そう。 そんな良い思い出ではなくても、個人的に行けば、また別だろうと同じ大学へ合格した2人を誘えば、2つ返事で返ってきた。 「行きたい…っつうか連れてって」 そんな事で、話を進めていたら、そいつらの両親が揃って、旅行で居なくなるとなり、大学の入学式も1週間の余裕があり、高校の新学期もまだだからと槇野(マキノ)弟と櫻井(サクライ)妹も連れていくこととなった。 この時はまだ『あんな事』になるなんて、露にも誰も思っちゃいなかった――…
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