第零章

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______ 俺は森に出てから人差し指を宙に、縦に振って薄く紫色に発光する半透明のメニューウィンドウを出現させた。 画面の一番上、アイテム欄をタッチして数あるアイテムの中からあるアイテムを出現させた。 俺の手のひらに、小さな野球ボールほどの大きさの紅色に輝く石がズシリとのしかかった。 見た目に反してかなり重たい石は【召喚石】 この小さな紅色の石の中に強力なモンスターが封じられており、持ち主の力となってくれる。 だがまぁ、俺の持ってる召喚石は戦闘用ではなく、移動用の召喚石なのだが…… 召喚石は細かく分けて三つある。 一つ目は今、俺が持ってる移動手段として使う召喚石だ。 これは広大なワールドオブファンタジーを自分の足で移動するという苦労を和らげるために作られた物で、たいがいは四足歩行のモンスターが封印されている。移動用の召喚獣は非戦闘モンスターで、仮に野生のモンスターと出くわした時は強制的に召喚石に戻ってしまう。 二つ面倒が戦闘用の召喚石だ。 これは戦闘のためだけに作られた召喚石で、移動手段として使用することは出来ない。 この召喚石に眠っている召喚獣はとても強力で、野生モンスターとは比べ物にならないくらいの破壊力を秘めている。 そして最後、三つ目はイベント召喚石 これはその名の通りで、ワールドオブファンタジーはオンラインゲーム故に数多のイベントが行われている。 つい一週間前も召喚石イベントをやっていたのだが、イベント召喚石はそのイベントがやっている間にだけ使用することが出来る期間もののアイテムなのだ。 俺もイベント召喚石を手にしたのだが、中に眠っている召喚獣は移動用とバトル用のどちらかがランダムに入っているという仕組みだった。 そして_____これら三つの召喚石に共通してることがある。 それはタイムリミットだ。 召喚獣は強力故に三分という使用制限時間が課されている。 三分経てば強制的に召喚石に帰ってしまうが、一時間チャージしておけば再び使用可能となる。
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