第零章

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「あっ、そうだ。一応はぐれないとは思うけどコレ」 そう言って、セナは俺に地下迷宮の現在攻略しているエリアまでのマップを全て送信してくれた。 「もし、はぐれたとしてもそれを見ればすぐに出口は分かるわ。 一応ね」 ノープランのくせに用心深い奴だった。 俺は攻略マップを保存し、ウィンドウを閉じた。 「それじゃあ、アイテム調達して早速行くか……」 と、俺の耳におかしな言葉が入ってきた。 「あれ、ログアウト出来ないぞ」 酒場にいた背中に大きなバトルアックスを携えているがたいの大きな男だった。 男はログアウトをするつもりだったようでメニューウィンドウを開いていたが、一向にログアウトをする気配はなかった。 そこで、男の隣にいた仲間が呆れた顔で自分もメニューウィンドウを開きログアウトボタンを探すが…… 「……ない」 「だろ?」 「だろ?じゃねぇよ!どーすんだよ、運営者のミスか?」 その会話にセナは少し不安そうな表情を俺に見せた。 「一体、どーゆーこと?」 俺はその質問にただわからねぇ、としか言えなかった。
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