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だがしかし_____俺達は今回アギトの塔を玉石を手に入れる為にクリアするのではない。
この忌まわしき檻と化した仮想空間________
ワールド オブ ファンタジーから脱出する為だ。
タイムリミットは残り14日と三時間丁度
俺達一万人ものプレイヤーは残り14日と三時間でアギトの塔全フロアをクリアしなければこの仮想空間での“死“ではなく、リアルの“死“が待ち受けている。
確かな確証はないが、百パーセント嘘とも言い切れないので俺達はやるしかないのだ。
ただひたすら奴らの言う事を聞くしかない_______
俺とその他五十人もの精鋭部隊はアギトの塔入り口前で今まさに攻略を始めようしていた。
アギトの塔の入り口の扉は鉄製で人の三倍はあろう大きさだった。
扉を一度軽くポップすると目の前に半透明の確認ウィンドウが現れ、YESとNOの二択のタッチ画面が表示されていた。
ここから先は試練の塔、覚悟のある者はなんちゃらかんちゃらと書かれてあったがつまりは意思確認なのだろう。
この手のゲームではよくある。
俺は一度後ろにいる他のプレイヤーたちに視線を合わせて全員一致の賛成か確認するが、するまでもなかった。
皆は一斉に頷き、俺もそれに頷き返して再び扉の前に向き直る。
「はぁぁ……」
一度深い深呼吸をしてから心を落ち着かせて瞼をそっと閉じ、ふと頭の片隅からあの日の事を思い出した。
あの日_____一万人ものユーザーたちが捕らわれたあの瞬間を
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