第零章

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辺りはだいぶ薄暗くなってきたので俺はここらでモンスター狩りを終了し、自身の領______朱雀へと戻ろうと踵を返して森の出口へと向かった。 ここは仮想空間の中だが、現実世界と同じように朝昼晩、四季が同期している。 その再現度は見事の一言だ。 夏は勿論毎日暑いし、冬は寒い。 辺りの光量なんかもバッチリリアルとほぼ変わらず、朝昼晩と存在するが、夜は多少、戦闘の事を考えて月の光か、青白くエリアを照らして真っ暗になるということはないが、それを除けば限り無く近い再現度だ。 俺は暗くなってからの戦闘は避けたいので足早に出口へと向かった。 今いる古の森は昼と夜では出現するモンスターが変わるのでかなり厄介なのだ。 夜に出現するのは木に口と足がついた人面樹_____【プラント】だ。 動きは遅いが、気付かれてしまえば奇妙な超音波で近くのエリアにいる仲間を呼び寄せてしまう厄介なモンスターだ。 しかも体力は序盤にしては高い1500 出来れば戦闘は単体もしくは回避したいものだ。 まぁ今の俺のレベルなら五体くらいに囲まれても大丈夫だろうが、今日はレアアイテムを手に入れたので死んでレアアイテムを手放すのはかなり惜しい。 なので安全マージンを取ってここは素直に引き下がるのが賢明なのだ。
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