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「父さん、どうしてサルマンを? 会った事はない筈…。」
「…話せば長くなります。とりあえず、今は奴等を片付ける事に専念しましょう。」
そうこうしているうちに、周囲は化け物達に囲まれていた。
デュレイザは土を払いながら立ち上がり、剣を構える。
「ディセント。お前はまだマトモに動けない筈だ。そこでジッとしていろ。」
「ディセントに命令しないで下さい。全然守れていない癖に、よく言いますよ。」
「鎧も似合わん貴様に言われたくない。」
化け物に囲まれている状況下で、ディセントを挟んで嫌味が飛び交う。
「あの、2人共…。今は言い合ってる場合じゃ…。」
その間にも、化け物達が徐々に近付いており、今にも襲い掛かりそうだ。
にも関わらず、薔薇とデュレイザは互いに嫌味を飛ばし合う。
インサニティの巨大な触手が迫った時だった。
「「ウルサい!!!」」
薔薇とデュレイザが口を揃え、共に魔力と剣撃で触手が一気に崩れ落ちた。
「全く、人が話してる最中に攻撃とは…。」
「躾がなっとらん。」
「いや、アイツらに躾も何もないと思うけど…。」
ディセントはただ、2人の言動を突っ込むしかなかった。
しかし、薔薇とデュレイザは互いに嫌味をを飛ばし合いながらも、確実に化け物達を斬り伏せていく。
ディセント達を囲んでいた化け物達は、瞬く間に物言わぬ肉塊と化していった。
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