345人が本棚に入れています
本棚に追加
付近の化け物達を斬り捨てると、次第に後方にいた化け物達が距離を狭めてきた。
薔薇とデュレイザは背中合わせに剣を構える。
「貴方の事は、シェロンから聞いてます。大人しく地獄に落ちてくれればよかったのですが。」
「だが俺が手を貸さねば、状況は更に悪かった。感謝してほしいものだ。」
「ディセントを完全に守れていたならば、そうしない事もありませんでしたが。」
「相変わらず、気に食わない奴だ。」
ほぼ同時に動き出し、双方の化け物を斬り捨てていく。
地上は薔薇とデュレイザが、上空では団員達が全力でインサニティに対抗している。
戦場と化した街で、互いが一歩も譲らない戦いが繰り広げられていた。
「想像どおり…。いや、それ以上ね。」
救護拠点とした本部には、負傷した団員達が手当てを受けていた。
回復しきっていないティークも、団員達の救護に当たっていた。
本部からも激闘の様子は見えており、いつ何が起きるか分からない状況に、不安を隠せずにいた。
「とんでもない気配が多数…。ロドリーの奴、あんなものを造り出すなんて…!」
驚愕していると、エリーを支えながら由月が駆け込んできた。
「由月ちゃん!? エリーまで…!」
「ティークさん、エリーさんをお願いします! 瓦礫に足を挟まれて…!」
エリーの右足は大きく負傷し、まともに歩けない状態だった。
「OK。エリーは任せて。由月ちゃんはどうする?」
「戻ります。まだインサニティの勢いは衰えていませんから。」
由月は剣を鞘から抜き、再び戦場に向かって走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!