狂気の進行

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付近の化け物達を斬り捨てると、次第に後方にいた化け物達が距離を狭めてきた。 薔薇とデュレイザは背中合わせに剣を構える。 「貴方の事は、シェロンから聞いてます。大人しく地獄に落ちてくれればよかったのですが。」 「だが俺が手を貸さねば、状況は更に悪かった。感謝してほしいものだ。」 「ディセントを完全に守れていたならば、そうしない事もありませんでしたが。」 「相変わらず、気に食わない奴だ。」 ほぼ同時に動き出し、双方の化け物を斬り捨てていく。 地上は薔薇とデュレイザが、上空では団員達が全力でインサニティに対抗している。 戦場と化した街で、互いが一歩も譲らない戦いが繰り広げられていた。 「想像どおり…。いや、それ以上ね。」 救護拠点とした本部には、負傷した団員達が手当てを受けていた。 回復しきっていないティークも、団員達の救護に当たっていた。 本部からも激闘の様子は見えており、いつ何が起きるか分からない状況に、不安を隠せずにいた。 「とんでもない気配が多数…。ロドリーの奴、あんなものを造り出すなんて…!」 驚愕していると、エリーを支えながら由月が駆け込んできた。 「由月ちゃん!? エリーまで…!」  「ティークさん、エリーさんをお願いします! 瓦礫に足を挟まれて…!」 エリーの右足は大きく負傷し、まともに歩けない状態だった。 「OK。エリーは任せて。由月ちゃんはどうする?」 「戻ります。まだインサニティの勢いは衰えていませんから。」 由月は剣を鞘から抜き、再び戦場に向かって走り出した。
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