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「制服はきちんと着ろと言ったはずだろう?それじゃあ新入生に示しがつかん。」
「えー、いいじゃーんこんくらい、委員ちょーのケチー」
今日は此処、一ノ宮学園の入学式である。
この学園のほとんどの生徒は、エスカレーター式で中等部から上がってくるため、入学式といっても顔見知りばかりだ。
一応編入枠があるので、外部からの生徒も入学できないことはないが、編入試験が難しい上にこの学園のカリキュラムは初等部から高等部まで一貫して作られているため、高等部から入る奴は珍しい。
それでも、毎年その難関を破って入学してくる者はいるが。
「ケチとかそういう問題じゃない。今日だけなんだから我慢しろ!!」
「はーぃ…。」
もー委員ちょー真面目すぎー
「なにしょぼくれてんだ。もうそろそろ編入する生徒が到着する。どうせ迷うだろうから迎えにいくぞ。」
「えぇー委員ちょー独りで行きなよー。俺、用事あるからー」
めんどいから
「分かった、じゃあ戸締まりとかお願いするな。」
ちょっとまって、そんな寂しそうな顔しないでよー。
なんかめっちゃ罪悪感じゃん
俺その顔に弱いって知ってんじゃないの
「やっぱ行くー」
「えっ用事は?」
「なくなったー。」
「おまえなぁ…まあいい、行くぞ。」
「イエッサー」
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