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☆ ☆ ☆ ☆
逃げて逃げて逃げて…
何もできずに終わる。
結局、何も変わらない。
でも、これで行けるのかもしれない。
自分からは怖くて死ねなかった。
だから、ただ迷惑をかけないようにただただ猫を被って生きてきた。
そうすれば面倒な事は何もなく歩くだけで生きていけたから
俺が死ねば、悲しんでくれる人は沢山いると思う。
でも…そこには誰も本当の俺を知っている人間はいない。
それでも少し申し訳がない。
死ぬというのに、そんな心配をしても意味がないのに…
そんな事を色々と考えているけど…
やっぱり死ぬのは怖い…
死ぬのが怖い。
『なら、生きればいいじゃない』
ふと瞼を開けると真っ赤に燃えている世界がそこにはあった。
ただ炎が燃えているだけの世界
炎以外が存在しない。
『契約よ。あんたの望みを言いなさい。拒否権は無いから』
このまま、意味のない渇いた人生を生きるなら、死んだ方がいい。
だから、言いそうになった望みを一度飲み込んで、質問をした。
「お前は俺を変えてくれるか?」
「質問されるのは好きじゃないんだけど…まぁ答えてあげるわ。断言する、この契約はあんたの世界を変える」
変える、か…
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