一章 契約

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★ ★ ★ ★ 今日はクリスマスイブ リア充どもがギシギシアンアンする日だ。 いや、まぁしない人も居るだろうが… だが、俺には関係ない事だ。 今、俺は土曜日なのに学校に用事があり、その用事が終わって家に帰り昼飯を食べ終わったので一昨日買った漫画を読もうと部屋に入ったところだ。 「アタシの知識では学校って夕方までやってる筈だけど、もしかしてサボり?」 ベッドに横たわり板チョコをかじりながら漫画を読んでいる赤色の髪をした16歳位の少女が話し掛けてきた。 「おかえりくらい言えよ…って、それ!!俺が一昨日買ったやつじゃねえか!!」 食っている板チョコも漫画(23巻)も(板チョコは正確には貰っただが…) 俺もまだ、読んでないのに… 「読むなら1巻から読めっ!!」 「既に読んだわ。そして先に質問した筈なんだけど、サボったの?」 パキッと板チョコを割り、チョコでこちらを指してきた。 その時、チョコのカスがベッドに落ちたので後で掃除をしておこう。 「サボってねえよ。今日は土曜だし、そもそも長期休暇中だから学校は無い。俺は生徒会の手伝いをしに行ってたんだよ」 元生徒会長で、仕事も難なくこなせたからって、地百合に無理やり手伝わされた。 何が良くてクリスマスイブにそんな事をしなきゃいけないんだ、と思いながらもそれを悟らせないように作り笑顔で仕事をこなした。 「長期休暇?あぁ、アタシそれ知ってるわ、夏休みってやつでしょ」 「いや、冬休みだから」 「冬は嫌いよ!」 知らねえよ…
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