一章 契約

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サラマンダーが居なくなったので一人になった俺は、庭に出る事にした。 冬の夜なので外へ出たがる人は少ない。 だから毎年、庭に出て適当に時間を潰している。 それにしても… 「これから、どうなるんだろうか…」 声に出して呟いたものの、その呟きは虚しく空へと消えていった。 契約してから2日が経った。 俺がアイツとした契約の内容と俺を襲ってきた化け物の事は、昨日教えて貰った。 あの化け物は異世界の魔物で、その魔物がこの世界にいる理由は、魔物がいる世界とこちらの世界との次元が繋がってしまい、そこから湧いて出たとの事だ。 そして、その次元の歪みは意図的に作られた物で、魔物もその歪みを作ったヤツが送っているのだという。 2012年12月21日に、とある古代文明に予言された人類滅亡は、その魔物たちが引き起こす事を予言したものらしい。 今から十数年前1999年に起こるとされていたノストラダムスの大予言も、一般的には何も起こらなかったが、実際は今回と同じように魔物たちが攻めてきたのだという。 その時は魔法少女ではない別の英雄がその命を犠牲にして世界を救ったらしい。 その事をあらかじめ知っていて対策を練っていた精霊たちは、この世界に精霊を送って人間の少女に力を与えて世界を守らせようと考えたらしい。 送られた精霊は全部で5匹 火の精霊イフリート、雷の精霊ヴォルト、風の精霊シルフ、水の精霊ウィンディーネ、氷の精霊フラウの5匹 そして、それとは別の理由でこちらの世界にやってきた火の精霊サラマンダー 俺と契約したサラマンダーは世界を救う為にこの世界にきた訳じゃないので、俺は魔物と戦わないで良い… 筈なのだが、魔物はネガティブになっている人間と特別な力を持っている人間を優先的に襲うらしい。 つまり、契約して魔法が使えるようになった俺は魔物に襲われやすくなってしまった… まさに『戦わなければ生き残れない』という某平成仮面ライダーのキャッチフレーズのような状況なのだ。
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