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「はぁ…めんどくせぇ~!!」
無意味に叫んでみる。
少しはストレスがなくなると思ったからだ。
パーティー会場から離れた所の大きい池まで来ているので誰にも聞かれる事はない。
ふと、池の水面に目を向ける。
「しまった…」
月と一緒に誰かの人影が反対岸近くの水面に反射していた。
まさか、この時間にここに来るヤツがいるとは!?
急いで視線を反対岸に向ける。
しかし、そこには誰もおらず、再び水面を見ると人影は最初から写っていなかったかのように月だけが輝いていた。
「気のせいか…良かった…」
一昨日の一件が衝撃的過ぎて、整理がついた今頃になって疲れが回ってきたようだ。
「こんな所に居たのねアンタ…」
「うぉ!? ってなんだサラマンダーか…」
「えぇ、なんだサラマンダーよ。さっきから、男どもに言い寄られていて大変だったわ。まったく…人間界って事で少し期待してたのに、あっちと何にも変わらないじゃない…」
「へぇ…」
まぁ、コイツは俺から見ても結構な美人だ。
しかもドレス姿も様になっている、言い寄られても不思議はない。
「へぇ…って何よ」
「いや、お前の世界とこっちの世界でも美的感覚って同じなんだなと思って」
「はぁ?」
これ以上説明すると、何か負けな気がするのでこれ以上説明はしない。
「そろそろ、パーティーも終わる頃だ戻る事にしよう」
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