間章 完章

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つまらない。 退屈な毎日 同じような事を繰り返すだけの毎日 日々が無駄に過ぎ去ってゆき、時間が無駄に消費されてゆく そんな渇き切った人生を潤してくれる何かを俺は求めていた。 することのない時間を埋める為、アニメを見たりしている。 しかし、そんな物でこの渇きは潤される訳もなく、怠惰に消費される時間に変わりなかった。 例え、明日に人類が滅ぶとしても俺の日常は何ら変わりないだろう。 幼い頃から物覚えが良く、勉強も運動もできた。 壁にぶつかる事もなく、ただ真っ直ぐ歩いているだけで生きて行ける。 そんな人生だ。 間違いはあるが失敗がない。 友達と喧嘩しました。仲直りをする為にあなたは、手紙と電話どちらで謝りますか、理由を含めて書きなさい。 小学校の頃、こんな作文を書かされた事がある。 この時、俺は手紙でも電話でもなく直接会って謝ると書いた。 手紙や電話なんかよりも数倍、誠意が感じとれるだろう。 自分で言うのもあれだが正論だと思った。 でも、先生には手紙か電話を選んでいないので再提出と言われ5枚くらい書いた原稿を読まれずに返された。 この時、世の中正しい事をするのは正しいとは限らない事を知った。 それを知った頃からだ。 俺の中の何かが渇いてしまったのは… 別にこの時の先生が悪いとは思わない。 そのことを知った上で生きている人間は沢山いるのだから、いずれ知る事になるであろう事を早めに知る事ができむしろ感謝している。 まあ、こんな俺でも昔は普通の子供となんら変わりない時期もあった。 その頃の将来の夢はヒーローになる事、今の俺からしたら 何を言ってるんだコイツは…、と思う。 人前では猫を被り、自分の印象を良くしたり。 他人なんてどうでも良いと思っている程の自己中な俺がヒーローなんてばかばかしい。 たとえ明日地球が滅ぼうとも人類が滅亡しようとも…世界を救う。そんなのは他人に押し付ければいい。 そんな怠い事は俺がいなくても… 俺がヒーローにならなくても誰かがやってくれるだろう。 そう思っていたからこそ、この物語は悪夢のような終焉を迎え幕を閉じたのだろう…
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