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☆ ☆ ☆ ☆
終業式なので学校は半日と立たずに終わり、いつも通っている通学路を歩いていた。
訳ではなく、俺はまだ校舎の中にいた。
4階の階段を更に上がった所に屋上への扉がある踊り場で俺は一人の女生徒と向き合っていた。
屋上は危険という理由で入れないようになっている。
だから、普段こんな所に来る生徒はいない。
いないからこそ放課後の屋上入口の踊り場は告白スポットとなっている。
さて、一応言っておくが俺が告白するわけでは無い。
俺が告白されるのだ。
「えっと、この手紙は君が書いてくれたのかな?」
目の前にいる女生徒、名前は確か…田中さん…いや田島さんだったかな?
まぁ田なんとかさんだ。
「ひゃ、ひゃい!わ、私が書きました…」
「字、綺麗ですね」
「あ、はい!ありがとうございまする…」
ぁ…噛んでる
「それで、僕に伝えたい事って何かな?」
正直早くしてほしい
「それは、その…」
ニコニコしながら俺は女生徒の言葉を待つ。
「あなたの事が好きです!付き合って下さい!」
一応、驚いた風に一拍開けて答える。
「…ごめんね。君とは付き合えない。……きっと君には僕なんかよりも相応しい人に出会えるよ」
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