一章 光と言う名の闇

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 高校二年生になって迎える、初めての春。    ユウヅキショウタ   シノノメ  俺、夕月 翔太の通う東雲高校への通学路は桜が満開に咲き乱れ、暖かい風が桜を流していく。 「おはよう、翔太」 「おはよう、葉月」  桜の木の下で待ち合わせをしていた幼な    ミナクモ ハヅキ じみ、水雲 葉月と挨拶を交わした。  いつもと変わらない日常。  いや、二年前のあの日から…俺は大きな存在を失って、変わってしまったのかもしれない。  そういえば、あの日の朝もこんな感じに桜が咲いていた。       ヒナ  妹が……陽菜がここに居ないことを除けば。  ―――二年前 「翔太~、いい加減起きないと遅刻するわよ~」  母さんののんびりと間延びした声に対し、翔太は慌ただしく中学校の制服に着替えていた。  そして、着替えを終えると鞄を持ち朝食を食べるため、階段を降りた。  
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