一章 光と言う名の闇

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「おはよう、母さん」  翔太はリビングに降りてすぐ、家事を熟(こな)している母さんに挨拶をした。  朝食を食べる食卓机には中学校で食べるお弁当が用意されていた。       ハクア  翔太の通う白亜中学校は、全国の中学校でも珍しい、給食の出ない学校なのだ。  翔太は食卓机に座りお弁当箱を鞄に詰めた。 「翔太、おはよう。 お前が寝坊なんて珍しいじゃないか。 まあ、時間は無くても飯はちゃんと食べて行きなさい」  翔太の向かい側に座って新聞を読んでいる父さんが口を開いた。  スーツを着こなしている辺りは、威厳のあるお父さんという感じがひしひしと出ている。 「うん、分かってるよ」  翔太はいただきますと行儀良く両手を併(あわ)せ焼いたトーストにかじり付いた。 「ああん、もう!お兄ちゃん! そんな急いで食べたら喉が詰まるよ!」  
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