一章 光と言う名の闇

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 陽菜は今年から中学一年生になる。  つまり、翔太の通う白亜中学校に通うことになるので、必然的に一緒に登校している。  翔太が緩んでいる靴紐を縛る為、玄関の縁に座っていると隣に陽菜が来た。  立ち上がって隣に立つ陽菜を見ると、真新しい制服に身を包み、少し着ずらそうにしているのを見ると、なんだか微笑ましい。 「お兄ちゃん!何笑っているのよ!」  翔太はいつの間にか頬が緩んでいたらしく、それが抑えきれずにいたのを陽菜に見られてしまった。 「はははっ、何でも無いよ。 陽菜があまりにも可愛いもんだから」  この男は意識して言っているのかと疑いたくなるほどの爽やかな笑顔で、何の戸惑いも無く言い退けた。 「なっ、な・・・お兄ちゃんのばかっ!」  それでも、陽菜には大きな効き目があったようで、顔を真っ赤にして叫んだ。 「何で怒ってんだよ、陽菜」  全く何も分かっていない鈍感な兄に、陽菜は呆れて何も言えないでいる。  
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