三日月は太陽の夢を見る

5/8
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「久々の生アレス!」 『きもちわるい!』 自らの主に容赦無い暴言を叩き付けながら、薄紫の髪を長く靡かせる少女が実体化する。 透輝の前にふわふわと浮かんだアレキサンドライトは、藤色の瞳で相手を見据えた。 『何よりも暗い闇の太陽が、貴方の真実を照らし出す――』 音もなく、相手の装備品が光の粒に戻っていく。 ――これがデビル・ウヴァルの能力。 相手の装備品を消滅させてしまうのである。 「か……カイル!」 対して相手が呼び出したデビルはアミー。彼はちらりと透輝を一瞥すると、無言で大きく手を振り下ろした。 天から炎の槍が降ってくる。それは地面に突き刺さり、炎を≪結界≫中に撒き散らした。 「……っ」 炎に触れた透輝の装備が、みるみるうちに傷んでいく。 アミーの能力は、相手の装備品を傷ませ、攻撃力と守備力を下げさせる物だった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!