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地の底から顕れるこのデビルに見据えられた者は、魂を揺さぶられるような恐怖に、攻撃する意志力や攻撃を防ぐ精神力を大きく鈍らせる。
『……ウチのランくんよりカッコいいね』
「ランは残念だからしょうがないよ」
『ヒドい!マスター、それどういうことだ!?』
懐のSSから喚きたてる、同じくグラシャ=ラボラスのランブルの声はスルー。
今度は、相手が先に攻撃してきた。素手なことに変わりはなく、受けたダメージもやはり微々たるもの。
しかし、相手の後ろに立っているグラシャが、目を細めて呟いた。
『ウァプラ……お前は私と同じ、土の力を操るな?』
直後、重たい衝撃を受け透輝が後ろに吹き飛ばされる。
グラシャ=ラボラスのもう一つの力。
自分と同種の力を持つデビルが同じ場に顕れているとき、相手にダメージを与えると言うものだ。
起き上がった透輝のCSには、深い亀裂が走っていた。
『透輝くん!』
「だーいじょーぶ。それに、コレで終わりだし」
にや、と笑った透輝が、先程と同じように鎌を振るう。
――悪魔の名を冠した大鎌は、いとも容易く相手のCSを砕いた。
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